執筆:ずんだもch 管理人
最終更新:2026-07-27
味方が全然前に出てくれなくて負けたとき、どうしてもイライラしちゃう…私、性格悪いのかな。
性格の問題じゃないのだ。心理学では、人間には「他人の失敗は能力のせい、自分の失敗は状況のせい」と考えてしまうバイアスがあることが知られているのだ。つまり味方への怒りは脳の初期設定。仕組みを知れば、ちゃんと外せるのだ。
はじめに
「味方ガチャに外れた」「なんであの味方は前に出ないんだ」——スプラで一番多いストレスは、敵よりむしろ味方かもしれません。
でも、味方にイライラしてしまうのは性格の問題ではなく、人間に共通する心理バイアスが原因です。心理学の研究をたどると、イライラの正体と「我慢せずに消す」考え方が見えてきます。
01イライラの正体:人間に共通するバイアス
味方への怒りには、心理学で古くから知られる2つのバイアスが関わっています。
- 他人の失敗は「能力のせい」に見える — 心理学では、人は他人の行動を状況ではなくその人の内面(能力・性格)のせいにしがちなことが知られています(根本的な帰属のエラー)。味方のデスは「下手だから」に見え、自分のデスは「挟まれたから」になる——これは脳の初期設定です
- 「わざとやってない」ことに怒っている — スポーツ心理学の帰属研究では、「相手はできたはずなのにやらなかった」という解釈が怒りを生むとされます。でも実際の味方は、見えていなかったか、できなかっただけ。サボりに見えるものの大半は能力と情報の限界です
- 相手の画面は見えない — 味方には味方の視界・間合い・インク残量があります。自分の画面から見た「ありえない行動」は、味方の画面では合理的だったことがほとんどです
POINT
「味方が下手に見える」のは半分バイアス。そう見える仕組みを知っているだけで、怒りは一段冷める。
02その怒り、次の試合に漏れています
味方への怒りが「損」である理由は、感情研究がはっきり示しています。
- 怒りは無関係な判断に漏れ出す — 感情研究のレビューでは、怒りは関係のない次の場面の判断にまで影響し、リスク軽視や他人への非難を増やすことが示されています。前の試合で味方にキレた怒りは、次の試合のあなたの判断を歪めます
- しかも自覚できない — この影響は無意識に起きるため、「切り替えたつもり」でも判断は歪んだまま。味方に怒ることは、実質次の試合の自分への攻撃です
- 怒りの反芻は怒りを増やす — 「さっきの味方ありえない」と思い返すほど怒りは強化されることが実験で示されています。試合が終わったら、その味方のことは考えない——これが科学的に正しい切り替えです
POINT
味方に怒って得することは一つもない。怒りは次の試合の自分の判断力を削る"自傷"だと知ろう。
03「自分がコントロールできること」に戻る
スポーツ心理学で最も標準的なメンタル技術が、「コントロールできるものに注意を戻す」です。
- 味方は"天気"と同じ — 味方の実力・行動・編成は、自分にはコントロールできません。コントロール不能なものに感情を注ぐのは、雨に怒るのと同じです
- コントロールできるのは自分の動きだけ — 立ち位置、デス数、スペシャルのタイミング、塗り。試合で自分が握れるハンドルはここだけで、ここに注意を戻すのがスポーツ心理学の定石です
- 「味方が弱い試合」こそ自分の課題が見える — 味方をアテにできない試合は、「人数不利でどう生き残るか」「一人でどうヘイトを分散するか」という上級課題の練習台。強いプレイヤーはここで伸びています
POINT
イラッとしたら「今、自分がコントロールできることは何か?」と自問する。答えは常に"自分の次の動き"だけ。
分かってはいるんだけど、イラッとした気持ちはどう処理すればいいの?我慢するしかない?
実は「我慢」は効率が悪いことが研究で分かっているのだ。効くのは意味づけを変えること(認知的再評価)なのだ。「クソ味方」→「編成事故の試合」に読み替える——これは感情制御のメタ分析で裏付けられた、ちゃんとした技術なのだ。
04我慢より「意味づけの変更」が効く
怒りの処理には、科学的に効率の良いやり方があります。
- 「我慢(抑制)」は効率が悪い — 感情制御のメタ分析では、感情を押し殺すやり方は効果が薄く、認知的な負担も大きいとされています。イライラを飲み込むだけだと、疲れる割に怒りは残ります
- 効くのは「認知的再評価」 — 出来事の意味づけを変える方法。「クソ味方に台無しにされた」→「編成が事故った試合」「4対4のブレが出た試合」。同じ負けでも、意味づけを変えるだけで感情反応が変わることが多くの実験で示されています
- 実戦用の言い換えテンプレ — ①「味方が下手」→「あの位置からは見えなかったんだろう」②「味方ガチャ外れ」→「これは人数不利の練習試合」③「無理ゲー」→「この編成での立ち回りを試す回」。どれか一つ、口癖にしてしまうのがおすすめです
- どうしても収まらないときは離れる — 怒りが強いときは反芻を断つのが先決。連敗メンタルの記事で紹介した「関係ない気晴らし+長く吐く呼吸」で一度リセットしましょう
POINT
怒りは我慢するものではなく、意味づけを変えて成仏させるもの。言い換えの口癖を1つ持つだけで変わる。
まとめ
味方へのイライラは、性格ではなく仕組みの問題。仕組みで対処しましょう。
- 「味方が下手に見える」のは人間共通のバイアス。相手の画面は見えていない
- 怒りは次の試合の自分の判断に漏れる。怒るだけ損
- イラッとしたら「自分がコントロールできること」に注意を戻す
- 我慢より「意味づけの変更」。言い換えの口癖を1つ作る
※この記事は、帰属バイアスの心理学(根本的な帰属のエラー)、感情制御研究のメタ分析(認知的再評価と抑制の比較)、怒りの持ち越し・反芻の研究をもとに書いています。


コーチングに応募する